1kW局免許取得までの顛末記−7

検査官達が到着した時刻は10時15分.15分前にアンテナの修理が終わったのだ(間に合った!).玄関先に車をとめ,かなり大がかりな測定装置を搬入しました.検査官は50代と20代ぐらいの2人,それに運転手(全員♂).運転手は車に待機.居間にて検査官2人と小生,立ちながら主任のような検査官からの口上をかしこまって拝聴.“ただ今から,電波法**条**項に基づき送信装置の検査を開始します(小生は3.5Mのアンテナの修理がうまくいったかどうか心配で,上の空で聞いていましたhi).XYLにコーヒーを入れてもらい,その間手順等を伺う.“運転手さんにもコーヒーをお出ししましょうか?” “いや,いいですよ”と主任さん(冷たいなあ・・).

一通り拝聴して2階の無線室へ.無線室は寝室の奥の8畳ぐらいの部屋.机と無線機ラックをコの字型に配置し,無線機類の後ろの作業をやりやすくするため壁から1mほど離してある.小生の残余の人生が少なくなっているのでこの際と思いいろんな機器を買い込んでありました.HFリグは3台,V/Uリグは1台とHFと共用のものが1台,アンプ2台,チューナー5台,パワー計と周波数カウンタがそれぞれ1台にオッシロスコープなどがラックに並べられている.それを見て主任さん“何十年か無線をされているのですか?” “いや,ちょうど2年です”という返答にびっくりした様子.

周波数測定装置は,漏えい電波をコイル状のアンテナで捕捉して測定するらしいのですが,バカでかい装置でした.安定するために時間がかかるとのことで,すぐに電源をいれました.すごいファンの音がしてた.10分ほど待って測定開始.無線機の出力測定装置はバード製ではなく製造元のわからない(外国製?)終端電力計でした.これもばかでかいものでした.アンプのMJコネクタから10Dのケーブルで測定機に接続し測定開始.小生はすでにリニアアンプの出力は,あらかじめ全バンドをリニアのパワーメーターで1kWに調整しておきましたが,小生の持っているコメットのCMX2300通過型電力系ではでは1割近く高く出ていました.検査官の持ってきたパワー系では1割近く低く出たのが印象的でした(どれが正しいのかなあ・・).

面白かったのが周波数測定.3.5,3.8,7MHzでは何やら苦労しながら測定できましたが,14MHz以上では全く測定できない!曰く“漏えい電波が少なくで測定できない・・” だって!“私の持っていいる周波数カウンタで測定しましょうか?” “・・ま,結構です(少し自尊心がつぶされた顔).漏えいしないことはいいことですので・・”といって周波数測定は省略.

次は電界強度測定.測定装置はドイツ製ということで,直径15cmほどの黄色い蛍光色のプラスチック製のボール状のセンサーが2つありました.(どのように使うかは見てませんでした.)集積型で3分間ほどのキャリアを流し平均を取る方法らしい.3.5M,7M,18M,28M,50Mで測定するとのこと.これは困った!

“・・実は・・”といって,昨日最終点検でバランを壊したことを打ち明け,3.5Mと7Mの電界測定は,キャリアの連続入力にバラン耐えられないので勘弁してくれないかと申し入れました.主任さん,なかなか融通が利くらしく“それじゃ,14M以上で測定しましょう”と簡単に変更してくれました.(・・しめしめ,全部VERSA beamアンテナだ・・).

実際の測定は次のように行われました.主任さんが無線室に残り,小生がキャリアを2分ぐらい連続して送信し,若僧さんが敷地の境界に当たる公道で,トランシーバで主任さんと連絡を取りながら測定していました.これを,14,18,28,50MHzで測定したのでだいぶ時間を費しました.測定した電界強度の値は見せてもらえませんでしたが,提出した計算値よりは低く出たらしく,“問題はありませんでした”といって,その場ですでに作成されていた無線局検査結果通知書および新しい無線局免許証を手渡されました.小生はそれらを両手で恭しく受け取りました.・・万歳・・これで終わった.3.5Mアンテナは検査されずに済んだ!・・へへ.Continued to 8.