1kW局免許取得までの顛末記−5

7月7日,信越総合通信局の担当者から小生の携帯に電話があり,当地のラジオ受信状況の確認書の提出を求められました.書式は問わないとのことでしたので,AMとFM放送の電波状態を調べこのような資料を送りました.システムが完成したので7月11日に試験電波発射届を郵送し,発射実験を開始しました(この用紙は総合無線局から送られたものです).

試験電波発射ですぐに発生したのは自宅のインターフォンへのインターフェア.インターフォンは電波障害の受けやすさで悪名高いPN社製.7Mと3.5Mで発生し,この障害を抑えるべく小さなトロイダルコアでフィルタを作り,結線ごと2個直列に挿入・・しかし解決せず,仕方がなくインターフォン自体をアイフォン製に変更して解決.アイフォン製のインターフォンはPN社製のものとgeometryが完全に一致してきれいに取り付けることができ,インターフェアも完全になくなりました.次は近隣へのインターフェアの調査です.

アンテナの中心位置から50m範囲内に3軒の住居があり,そのうち常駐住宅は1軒のみです.そこには若い奥さんがひとりで住んでいて週末に旦那さんが来るとう生活スタイルの家庭です.
昨年の冬は大雪が何度も降りました.将来のインターフェア調査の協力をお願いしなければならないというかすかな下心(それ以外の下心はありません・・念のためhi)を感じながら,降雪の朝は除雪機でそのお宅の庭まで掻いてあげました.大変感謝され,バレンタインチョコをいただいたり,旦那さんからは珍しい清酒もいただきそれ以来かなり親しくなっていました.当のインターフェアの調査をお願いした時も快く引き受けてくれました(ゴマすりの効果あり!).その家のインターフォンがPN社製でしたので,インターフェアを心配しましたが,問題なくクリアし調査票にサインと捺印をいただきました.

一軒だけの調査票は少ないと思いもう一軒にも調査をお願いしました.そのお宅もひとり住まいで,高級そうな皮のバッグなどを手作りされている50代ぐらいの旦那です.奥様は東京にいて週に一度ぐらい来られています.その家はアンテナからは高度差で30mぐらいの坂下にあり,しかも離れた(アンテナ中心から60m位)ところにありますので,大丈夫だろうと思いながら各バンドで1kWの断続的キャリアとSSB音声を送信しました.意外なことにハイバンドHFででインターフェアが見つかりました.PCで音楽をストリーミングで流しているとき,18MHz〜28MHz帯でわずかですが雑音が入ったということでした.その方は“構わない”という様子でしたが,改善しますといって引き下がりました.

“さて,どう改善したらいいか”・・アンテナの方向をみたらbeamの先がそのお宅に向いていたのでそれをそらすのが一つ.電源にはオークションで落としたEMCフィルタを付け,ケーブルに取り付けるバッチンコアを大量,これもオークションで購入し高周波ケーブルに装着しました.一週間ほどで準備ができましたので,アンテナの向きをそのお宅の方向から100度位ずらし,再度障害調査をお願いいたしました.結果はOK.全然ノイズは聞こえなかったとのことです.何が効いたのかはわかりません・・・たぶんアンテナの向きをずらしたのがよかったのかもしれません.これですべて完了!

いつでも工事完了届を提出して検査を受ける準備は整いましたが,CDPさんも変更申請を出しておられ両局は近いので同時に審査を受けるということになんとなく了解していました.CDPさんはTL-992をアンプとして申請していましたが,アンプの調整に大変苦労されていました.“出し抜くのは悪い”と感じましたので,氏の準備完了を待って8月19日に収入印紙¥15,500円をはって“変更工事完了届”を簡易書留で信越総合通信局長宛に郵送しました.Continued to 6.