アマチュア無線の楽しみ方はいろいろあります.無線機を自作し,その出来上がりを見る,アンテナを工夫していかにして少ない電力で遠くへ飛ばすか,絶海の離島にある局との交信,などなど数えあげたらきりがありません.
その中で,インターネットを使った通信というのがいくつかあります.その中でYAESU無線(株)から最近提案された方式にWIRES-Xというのがあります.小生は,仕事上コンピュータにかかわってきた“感”からWIRES-Xに大いなる可能性があると思いましたので早速導入しました.その経緯等と初歩的な使い方等をご紹介します.

インターネットを経た無線通信?
WIRES-Xの仕組みを簡単に説明します.送受信機(トランシーバ)とインターネット回線上にあるコンピュータと接続します.この局をノード局といいます.それと遠隔地にあるノード局が通信の一組です.このシステムを使うにはもう一台のトランシーバが必要です.このトランシーバから電波をノード局が受け,音声信号をPCをとおしインタネットをへて遠隔地のノード局へ渡され,それそこから電波として送信され受信者のトランシーバが受信するというものです.また,逆の経路で受信者から元の発信者へ音声信号が送るというものです.
ノード局が一つのトランシーバ占有されているときは,他のトランシーバは接続できません.一方,ルームという概念があります.ルームには多くのノード局が入ることができ,入っているノードとリアルタイムで利用しているユーザのコールサインを,ノード局のPCあるいは利用しているトランシーバ上で見ることができます.ノード局を開設すれがば,ルームは任意の名前で自由に開設できます.

QSO(交信)のみを楽しむなら無線を経る必要はなく,しかもアマチュア無線の免許も必要ありませんが,なぜインターネットを経る無線通信なのかという疑問があります.
スカイプなどをつかうと特定の人と画像も含めた会話ができ,SNSでは不特定の人との通信を楽しむことができます.不特定の人との通信は一種のアドベンチャーで魅力あるものですが,危険すぎるのも事実です.ひとたび始めれば下半身世界への勧誘のメールで閉口するのが落ちです.その点アマチュア無線は特定のコールサインを持ちますので,その気になれば相手が特定できるためか,話し相手として信頼ができます.小生にとってはこれが最も重要なポイントです.

超短波,極超短波(周波数では約30MHz以上)特にアマチュア無線バンドである144,430MHzの周波数帯での通信は,それらの電波は電離層を突き抜けるため,通信は近距離に限られます.太陽活動状況や特殊な気象状況で思わぬ遠距離(DX)通信が可能なときがあり,それらを狙うのも一興ですが,普段のDX通信は無理な話です.というわけで,音声信号を遠隔地へインターネット回線で運び,遠隔地の無線局が送信するとい方法は合理的です.昔からのアマチュア無線家にとっては違和感の感じるところでしょうが,まあ・・何でもやってみるというのがアマチュア無線の精神ですのでこれはこれとして受け入れてもいいのではないでしょうか.

WIRES-X を始めました−1