MFJ1026ノイズキャンセラーの使用感 7MHz編−1

20017.02のCQ誌にMFJ1026ノイズキャンセラー(写真右)の効果についての記事がありましたので,早速購入しその効果を調べました.
動作原理は,ノイズの原因は近接ノイズの場合が多いので,この近接ノイズを補助アンテナで拾い,ノイズ電波の位相を反転させてメインアンテナが拾った近接ノイズに加えノイズ成分のみを相殺させる・・というものです.ですので,DSPノイズキャンセラーのように,セットしてすぐ使えるという代物ではありません.


キャンセルする時点で補助アンテナとメインアンテナの近接ノイズの強度が同じである必要があります.MFJ1026には電源を含めて4つのボタンと4つのツマミがあります.
ボタンは左から電源(赤),補助アンテナに入ったノイズの増幅のON-OFF,周波数のHigh-Low(7MHz帯はどちらでもよい),ノイズの位相の正常-反転のスイッチです.
ツマミは,左から受信-送信のタイミングを合わせるための遅延時間を調節するものです.送信アンプを用いるときは,MFJ1026をエクサイタとアンプの間に入れます.昔のアンプでは受信から送信へ切り替えるとき遅延が発生しますので,このツマミで時間調節をします.最近のリグなら0の位置で構いません.
2番目のツマミは補助アンテナ用のゲイン調節です.3番目はノイズの位相を少しづつ変化させるためのもので,位相反転ボタンと一緒に操作して最良のキャンセルポイントを求めます.最後のツマミはメインアンテナのゲインを調節用です.


操作方法
まず,MFJ1026の電源を切り,7MHz帯の信号がなくノイズのみの周波数を探します.ノイズレベルが低い場合S-levelで3〜9になるようにリグのRFアンプをオンにします.ノイズレベルを記録しておきます.
次に,MFJ1026の電源をいれ,メインアンテナゲインのツマミを0にして,補助アンテナのゲインを上げます.Sメーターで,ノイズレベルがメインアンテナのレベルに合わせます.メインアンテナのレベルに達しない場合は,ノイズ増幅アンプのスイッチをONにしてください.それでもメインアンテナのノイズレベルに達しないときは,補助アンテナのノイズレベルにメインアンテナの方のノイズレベルを合わせることになります.その操作は後で説明します.
補助アンテナのノイズレベルをメインアンテナのそれに一致させたら,メインアンテナのゲインを最大にします.次に位相移動のツマミと位相反転のボタンを使いノイズが最小になるところを探します.このようにして探したポイントは7MHz帯すべてで使えます.

補助アンテナのノイズレベルがメインアンテナのレベルに達しない場合
この場合は,メインアンテナのゲインを0とし,補助アンテナで最大のレベル(ツマミ10)でノイズを受信し,そのSメータの値を記録します.次に,補助アンテナのゲインを0とし,メインアンテナのゲインツマミを調節して補助アンテナのノイズレベルに一致させます.
補助アンテナのゲインのレベルを最大にして,位相移動ツマミと反転ボタンを操作して,Sメータをみながら最小ノイズのポイントを決めます.
このようにしてノイズレベルを最小にした場合,メインアンテナのゲインを下げるため肝心の信号のレベルも低下します.私の経験では,信号が強いがノイズも激しい場合と信号が弱いがノイズ非常に少ない場合とを比較すると後者のほうがはるかに聞きやすいです.

練習
以上の操作は,慣れれば1分内に完了しますが,練習をお勧めします.私の場合は,ファンクションジェネレータに簡単なワイアアンテナ(50cm位)をつけて7MHzの周波数でsign信号を発生させます(SSBではノイズとして聞こえます).それをメインアンテナと補助アンテナで拾ってキャンセリングさせるようにしてコツを覚えました.


MFJ1026 (拡大すれば文字が読めます)